映画: シンドラーのリスト(スピルバーグ監督)人間の本質を描いた作品でした(ネタバレ)
シンドラーのリスト(スピルバーグ監督、ジョン・ウィリアムス音楽担当。1993年米国、1994年日本公開)
この世界で、人の生命や健康より大切なものってあるでしょうか。
わたしは無いと思っています。
たいていの人は、それらを失いそうになったときに、それ以外はもうなにもいらない、と思うのではないでしょうか。
もしかしたら、ときには、死んでしまいたい・・と思ってしまうほど辛いことがあったとしても、自分の命が奪われてしまうかもとなったら、状況にもよるかもしれないとはいえ、多くの方が本能的に、命=生きることに執着するのではないかと思ったりもします。
そして、目の前の人の命が奪われてしまうかもしれないことになったら、手を差し伸べて助けたいと思うのが、人間の本質ではないかと思っています。
わたしは、そう思いたいです。
ドイツ・ナチスのホロコーストが描かれているこの映画「シンドラーのリスト」は、観るのが辛すぎるだろうと思い、ずっと視聴を見送っていました。
でも、この映画は、第66回アカデミー賞で12部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞(ジョン・ウイリアムス)の7部門を受賞しているので、素晴らしい作品に違いないだろうから、いつかは観なくては・・・と思っていました。
そして、大好きなロシアのフィギュア・スケート選手のユリア・リプニツカヤが、ソチの冬季オリンピックシーズンでこの曲のプログラムを演技したこともあって、ようやく今年決心して(大げさ・・??)、鑑賞しました。
やはり、この映画にはナチスのホロコーストの残酷さが描写されていて、どうして人間が、同じ人間にたいしてこのようなことができたのかと、ゾッとしないではいられませんでした。(ある意味、このような残酷さも、人間の本質のひとつという考え方もあるかもしれませんが・・)
そして、最初は女遊びやビジネス・お金儲けに精を出し、煙草吸いまくりで俗っぽい印象だったドイツ人実業家のオスカー・シンドラーが、自分の工場で働く者としてユダヤ人の名前をリストに次々と載せて、人々の命をなんとかして救いたいと奔走する、その行動や、たくさんの人をリストに載せたのにもかかわらず、もっと救えたかもと泣き崩れる、人間の本来の尊い性質が、感動的に描かれていました。
涙が止まりませんでした。
この映画は実話をもとに製作されています。
私たち夫婦が観たDVDには、実際にシンドラーに助けられたユダヤ人の方たちが、シンドラーのことについて語る映像が収められていて、これにもまた大きく心を動かされ泣いてしまいました。
先に書いたフィギュア・スケーターのユリア・リプニツカヤは、赤い色の衣装を身につけてプログラムを演じていましたが、映画で赤い服の女の子が画面に現れて、あれはこの少女のことだったんだ・・と思いました。
スピルバーグ監督が、ホロコーストにあったユダヤ人の象徴として、モノクロで表現されていたシーンの中に、この少女の服にだけ赤く色をつけて表したようです。
その少女の登場シーンで、またもショックを受けてしまいました。そして、胸が痛くなりました。
全体として、とても素晴らしい映画だったと思います。
音楽も、情感豊かで、とても良かったです。担当したジョン・ウィリアムスは、フィルムを観た当初、荷が重いとのことでスピルバーグ監督からの申し出を断ったようですが、仕上がった曲は、やはり、とても素晴らしいものでしたね。
今でもこの音楽を聴くと、いろいろな気持ちが沸き上がり、涙が出てきてしまいます。
この映画は、今年観た映画のひとつとして、最後にご紹介するのがよいかなと思い、本日UPしました。
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