映画:この世界の片隅に やさしい絵の、戦時中のアニメを観てきました(ネタバレ)
この世界の片隅に(こうの史代さんコミック原作)2016年公開スタート
わたしの状況をいろいろと知ってくださっている人から、とても良い映画で前向きになれるからぜひ観てと勧められて観てきました。
(実際には、人は・・・の状態でも・・・・美しく生きていくことができます、と具体的な言葉で勧めてくれました)
戦時中のアニメ映画です。
少しのんびりした素朴でやさしい女の子が、少女時代に一度だけ会った人に探し出されて縁談が決まり、その結婚相手の顔をはっきりと見ることもないまま広島から呉に嫁いで、家事を明るくひたむきに一生懸命にやっていきながらも婚家から子連れで出戻ってきた小姑に苦労して・・、やがて戦争が来て・・といった、戦争の残酷な面や、人というものがどのようなものかについても描いている、ファンタジーも少し入ったストーリーです。
感想を正直に書くと・・、ひたむきな主人公が健気で好感が持てて良い映画ではありました。
そして素朴な少女が、苦労するにつれて、自分のダークサイド(「わたしゆがんでる」と言っていました。)を見てしまい、少し苦悩するのは、あぁわかる、そういうものだろうなぁと思いました。
でも、残念ながら、自分が抱えている問題の解決に繋がるようなヒントはなかったんです。
もちろん、わたしのことを考えてくださって勧めてくださったことについては、ものすごく感謝しています!!
その方はお子さんがいる方で、おそらくお子さんに戦争や広島で起こったことを知ってほしい、という気持ちもあって一緒に見に行ったのではないかなと思いました。
ずいぶん昔、自分がとても感動した映画について「すごくよかった!!今まで一番感動したかも。ぜひ観に行って!!」と母にその映画を観ることを勧めたことがありました。
母はその映画を、わたしもよく知っている、母のお友達でとても明るく楽しい方と一緒に観に行きました。
そして帰ってくると、「どこが感動したの?よくわからなかった〜。普通の映画だった。◯◯さんもそう言ってたヨ〜。」と笑っていました。
「主人公が前向きなところ。登場人物が、その人その人のいろいろな苦労をしても、その主人公と関わって、その人なりの幸せをつかんだところ」と答えると、
「そうなんだ〜。わたしたちはもっと大変な苦労をしてきてるからね、これくらいじゃ感動しないのかもね」と言ってまた笑っていました。
今回、人に勧められた映画を観て感動しきれなかったことで、自分と母との、このエピソードを思い出しました。
そうなんだな、わたしも大人になっちゃったのか、と。。(笑)
(ちなみに映画は、トム・ハンクス主演のフォレスト・ガンプ 一期一会 です)
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あと、戦争ものの映画などを、子どもに見せることについて思い出したことがありました。
この映画自体とは関係がありません。戦争を描いている映画を観て、思い出したわたしの体験です。
小学生のころ、広島の原爆関係の展示が自分の地元で開催されました。わたしは幼すぎてそんなことはよくわからないわけですが、母が子どもの教育のため、大切なことを知ってほしいと思ったのでしょう、わたしをその展示に連れて行ってくれたのです。
そこには、原爆投下後の広島の、ありのままの状態のたくさんの写真の展示がありました。
そしてドキュメンタリーのショートムービーのようなものも視聴して。。
小学生の自分は、衝撃をかなり長い間引きずってしまいました。ただただショックを受けてしまって。。
今思うと、お母さん、せめて中学生、いや、高校生くらいのときにしてほしかったなと思いました。。
(十分に大人になってからは、自分で広島の原爆資料館に行きました。その時のことにも触れた記事です)
二十代になって、この話を地元の高校の同級生で、小学校が別だった友達にしたところ、
「俺もそれ、母親に連れて行かれたんだ。ドキュメンタリーを観て、気がついたら床に倒れてた。」
と言っていました。
(彼は、映画「プライベートライアン」 の戦闘シーンでも、意識が遠くなってふら〜っとしたと言っていました。)
教育のために親に連れていってもらったところで、大きなショックを受けてしまった2人。約20年後にも、お互いにそれを覚えていて驚きました。
戦争の事実は、知っておくべき大切なことだと思いますが、どの年齢でどのくらいの内容のものを観るかなどは、その人その人の感受性などによって難しいところがありますネ。。
大人になった今は、当時の母親のことを、我が子の感受性まで気が回らないほど忙しかったんだろうなぁと思います。あとは、とにかく戦争のことを知っておいてほしかったんだなと。
それと、最近断捨離をしていたので思ったのですが、この映画でかなり細かく書かれていた食料難や物不足を観て、戦中戦後のこんなにたいへんな時代を必死で生きてきた方にたいして、物を捨てるようにとはとても言えないなぁ・・と胸が苦しくなりました。。
親世代が片付けられないことに悩むケースが多い昨今ですが、こういった状況を経験した方が物を手放せないのは無理もないだろうなと思います。。
今回の映画を観て、いろいろなことを考えました。